バングラデシュの物価は、一言で表現するのが難しい。「激安」と「先進国並み」が同じ街、時には同じ通りに共存している。1泊1,500円ほどの安宿から、2人で3万円使う高級レストランまで——その振れ幅の大きさこそが、バングラデシュの物価のリアルだ。
本記事では現地での実体験と、現地在住者からの一次情報をもとに、ホテル・食事・交通・生活必需品の価格を具体的に解説する。
011泊1,500円——ネズミが出る安宿に泊まった話
1泊1,500円という価格は、日本のカプセルホテルやゲストハウスの最安値クラスに近い。ただし「価格に対して何を得られるか」は全く違う。バングラデシュの最安クラスのホテルでは、衛生環境・設備・治安面でそれなりの「割り切り」が必要になる。
02ホテルの価格帯——安価・中級・高級
| クラス | 価格(タカ/泊) | 円換算目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 安価ホテル | 800〜2,000 | 約1,000〜2,600円 | ネズミ・虫等のリスクあり。バックパッカー向け |
| 中級ホテル | 3,000〜8,000 | 約3,800〜10,000円 | ビジネス利用に適した標準クラス |
| 高級ホテル | 8,000〜25,000以上 | 約10,000〜32,000円以上 | 5つ星・国際チェーン。グルシャン等 |
※1BDT≒1.28円換算(2026年6月時点)。出典:現地一次情報
- ビジネス渡航なら中級以上を推奨:3,000タカ以上であれば、エアコン・清潔さ・基本的なセキュリティが期待できる
- 最安クラスは「割り切り」が必要:1,000円台のホテルは、衛生・設備面でのリスクを許容できる人向け
- グルシャン周辺は高め:外国人向け・外交官向けのホテルは国際水準の価格になる
03食事の価格——屋台からレストランまで
| タイプ | 価格(タカ/人) | 円換算目安 |
|---|---|---|
| 屋台料理 | 20〜200 | 約26〜256円 |
| 一般的なレストラン | 150〜800 | 約192〜1,024円 |
| ファストフード | 200〜800 | 約256〜1,024円 |
| グルシャン高級レストラン(2人) | 10,000〜30,000 | 約12,800〜38,400円 |
屋台料理は20タカ(約26円)から食べられる一方、グルシャンの高級レストランでは2人で3万円かかることもある。同じ国の食事代に1,000倍以上の差がある——これがバングラデシュの物価を理解する上で最も重要なポイントだ。
04交通費——リキシャ・バス・Uber/Pathao
| 交通手段 | 価格(タカ) | 円換算目安 |
|---|---|---|
| リキシャ | 30〜200 | 約38〜256円 |
| バス | 10〜100 | 約13〜128円(距離による) |
| CNGオートリキシャ | 150〜600 | 約192〜768円 |
| Uber/Pathao | 100〜1,000以上 | 約128〜1,280円以上(距離・交通状況による) |
ダッカ市内の移動は、リキシャ(人力三輪車)が最も日常的で安価。Uber/Pathao(バイクタクシー配車サービス)は、渋滞時のスピードと価格のバランスが良く、外国人にも使いやすい。
05生活必需品の価格——米・卵・牛乳・データ通信
06物価上昇のリアル——インフレで何が高くなったか
バングラデシュは現在インフレ率9%前後という高い水準にある(2026年最新情勢の記事参照)。これが日常の物価にどう影響しているか、現地の声を紹介する。
- 米:主食であり、価格上昇の影響が最も広範囲に及ぶ
- 卵・肉類:タンパク源の価格上昇が家計を直撃
- 食用油:調理に必須。国際価格の影響を強く受ける
- ガス・電気料金:エネルギーコストの上昇が生活全体に波及
- 交通費:燃料価格上昇によりリキシャ・バス料金も上昇傾向
07外国人にとっての生活コスト
比較した場合
国際サービス
生活コスト全体
現地証言によれば、「日本・韓国・ヨーロッパ・北米などと比較すると、バングラデシュの生活費はかなり安い。食費・交通費・一般的な住居費は比較的低く、多くの外国人にとって暮らしやすい国」とされている。一方で「高級ホテルや輸入品、国際的なサービスは比較的高額」という点も重要だ。
つまり、「ローカルな生活をすれば激安、外国人向けサービスを使えば先進国並み」というのがバングラデシュの物価の実態だ。前回の給料事情の記事と合わせて考えると、現地の物価水準と給与水準のバランスがより明確に理解できる。
08よくある質問(FAQ)
09まとめ
バングラデシュの物価は「激安」と「先進国並み」が共存する二極構造だ。1泊1,500円のホテルから2人で3万円のレストランまで、同じ国にこれだけの価格差が存在する。
- ホテル:安価800〜2,000タカ、中級3,000〜8,000タカ、高級8,000〜25,000タカ以上
- 食事:屋台20〜200タカ、レストラン150〜800タカ、高級店は2人1〜3万タカ
- 交通:リキシャ30〜200タカ、バス10〜100タカ、Uber/Pathao100〜1,000タカ以上
- 米60〜90タカ/kg、卵12〜15タカ/個、牛乳90〜120タカ/L
- 過去2〜3年で食品・エネルギー・交通費が大幅に上昇(インフレ約9%)
- 外国人にとっては全体的に「かなり安い」が、高級サービスは先進国並み