バングラデシュの給料事情【職種別2026年版】
——日本と比較してわかること

日雇い労働者は800〜1,000タカ/日、縫製工場の作業員は月15,000〜20,000タカ、ITエンジニアは30,000〜250,000タカ以上——バングラデシュの給料は職種によって天と地ほど違う。現地からの一次情報をもとに、職種別給与・日本との比較・ダッカと地方の差・生活費まで徹底解説する。

「バングラデシュは人件費が安い」——これは事実だが、それだけでは正確ではない。職種・経験・エリアによって給与は10倍以上開く。縫製工場の作業員と大手企業のITエンジニアでは、まったく別の経済世界に生きている。

日本企業がバングラデシュで人材を雇用する場合、投資家がコスト感覚を掴む場合、あるいは現地パートナーと交渉する場合——いずれも給与の実態を知ることは必須だ。本記事では現地からの一次情報をもとに、バングラデシュの給与事情を正直に解説する。

800〜1,000
日雇い労働者の
日給(タカ)
12,500
縫製工場作業員の
最低賃金(タカ/月)
250,000+
シニアITエンジニアの
月収上限(タカ)

01バングラデシュの給料——まず数字で把握する

現地からの情報によると、バングラデシュの日雇い労働者の日給は800〜1,000タカ(約1,000〜1,300円)。月給換算すると約20,000〜25,000タカになるが、日雇いは毎日仕事があるわけではない。

月給制の仕事は、仕事の種類によって8,000〜30,000タカ程度が一般的な水準だ。ただしこれは一般的な「ブルーカラー〜一般事務」レベルの話であり、専門職・管理職・IT職になると桁が変わる。

「バングラデシュの給料は仕事によって全然違う。縫製工場の作業員と、英語ができるITエンジニアでは、同じ国に住んでいるとは思えないくらい収入が違う。」——現地からの証言

02職種別給与一覧——現地一次情報

職種 月収(タカ) 円換算目安 備考
日雇い労働者 800〜1,000/日月換算:約20,000〜25,000 約1,000〜1,300円/日 農業・建設・雑役など
縫製工場(一般作業員) 15,000〜20,000最低賃金:12,500タカ 約19,000〜26,000円 残業・年9%昇給あり
縫製工場(管理職) 100,000以上 約128,000円以上 ライン管理者・工場長クラス
ITエンジニア(新卒) 30,000〜50,000 約38,000〜64,000円 ソフトウェア・IT専門職
ITエンジニア(3〜5年) 80,000〜150,000 約102,000〜192,000円 経験者・スペシャリスト
ITエンジニア(シニア) 250,000以上 約320,000円以上 外資系・多国籍企業勤務
公立小学校教師 19,000〜22,000基本給:11,000タカ 約24,000〜28,000円 各種手当込み
大学講師(国立) 53,000〜55,000 約68,000〜70,000円 各種手当込み
私立学校教師・EdTech 40,000〜150,000 約51,000〜192,000円 実績・学校格による
医師(公立病院) 40,000〜45,000 約51,000〜58,000円 医療職9級・各種手当込み
医師(私立・開業医) 150,000〜500,000以上 約192,000〜640,000円以上 経験・専門科による
公務員(BCS・9級) 約40,000基本給:22,000タカ 約51,000円 各種手当込み
公務員(秘書官・1級) 約120,000基本給:78,000タカ 約154,000円 最高位・各種手当込み

※1BDT≒1.28円換算(2026年6月時点)。金額は目安であり年式・経験・会社規模により変動。出典:現地一次情報・バングラデシュ政府給与スケール

03ダッカと地方の給料差

バングラデシュ国内でも、ダッカと地方では給料に大きな差がある

ダッカ vs 地方 · 給料格差の実態
民間・コーポレート職
ダッカが地方より40〜60%高い
IT・多国籍企業
ほぼダッカ集中。地方には求人が少ない
公務員(基本給)
全国一律。ただしダッカは住宅手当が50〜60%(地方は35〜40%)
生活費の差
ダッカの家賃・交通・物価は地方の2〜3倍。給料差を相殺する面も
出典:現地一次情報(2026年6月)

ダッカで高い給料をもらっていても、家賃・交通費・物価が地方より大幅に高いため、実質的な生活水準は必ずしもダッカが有利とは言えない。一方でIT・外資系のキャリアを積むにはダッカ以外の選択肢がほぼないのが現実だ。

04日本との比較——どれくらい違うのか

日本の平均年収は約478万円、月換算で約305,000タカ相当だ。バングラデシュと比べると以下のようになる。

縫製工場作業員(バングラ)約18,000タカ/月
ITエンジニア新卒(バングラ)約40,000タカ/月
ITエンジニア中堅(バングラ)約115,000タカ/月
日本の平均給与約305,000タカ相当/月
「日本の最低賃金(時給約1,121円)で2日間働くと、バングラデシュの縫製工場作業員の1ヶ月の最低賃金(12,500タカ)を稼げる計算になる。」——現地データより

この差は単純に「バングラが安い」ではなく、生産性・物価・生活水準の差も反映している。ただしビジネス目線では、この給与差が日本企業にとってのコスト優位につながることは間違いない。

05バングラデシュで普通に生活するのにいくら必要か

生活費の目安 · ダッカ市内
一人暮らし(ダッカ)
25,000〜35,000タカ/月
約32,000〜45,000円
4人家族・中間層(ダッカ)
60,000〜80,000タカ/月
約77,000〜102,000円
高級エリア(グルシャン等)
150,000タカ超/月
約192,000円超
4人家族・農村部
25,000〜35,000タカ/月
約32,000〜45,000円
出典:現地一次情報(2026年6月)※インフレの影響で上昇傾向

興味深いのは、ダッカ一人暮らしと農村4人家族の生活費がほぼ同額という点だ。農村では家賃がほぼかからず食費も安いため、都市と地方で生活コストが大きく違う。

06日本人ビジネスパーソンへの示唆

バングラデシュ人材を活用する上で知っておくべきこと
  • IT人材はコスパが高い:経験3〜5年のエンジニアで月80,000〜150,000タカ(約10〜19万円)。日本の同レベルの人材の5〜10分の1のコストで優秀な人材を確保できる。
  • 縫製・製造は最低賃金に注意:最低賃金12,500タカは政府が定めた下限。遵守は必須であり、コスト削減のために下回ることは許されない。
  • ダッカ採用が基本:専門職・管理職を採用するなら実質的にダッカ限定。地方在住の優秀な人材も存在するが、ダッカへの転居意欲は高い。
  • 給料以外のコストも考慮:ボーナス(イード手当×2回)・残業代・交通費補助など、基本給以外のコストが発生する。
  • インフレで給与上昇圧力:9%前後のインフレ下では、生活費上昇に伴う賃上げ要求が強まる。採用時から昇給計画を持つことが重要。

07よくある質問(FAQ)

バングラデシュの平均給料はいくらですか?
職種によって大きく異なります。日雇い労働者は800〜1,000タカ/日、縫製工場の一般作業員は月15,000〜20,000タカ(約19,000〜26,000円)、大卒のITエンジニアは30,000〜50,000タカ(約38,000〜64,000円)が目安です。「平均」は意味をなさないほど職種間の差が大きい国です。
バングラデシュのITエンジニアの給料はいくらですか?
エントリーレベルで30,000〜50,000タカ(約38,000〜64,000円)、経験3〜5年で80,000〜150,000タカ(約102,000〜192,000円)、シニアレベルでは250,000タカ以上になることもあります。外資系・多国籍企業勤務の場合はさらに高くなります。
バングラデシュの最低賃金はいくらですか?
縫製・アパレル産業の最低賃金は月12,500タカ(約16,000円)です。2023年に政府が設定した水準で、年9%の昇給が義務付けられています。業種によって最低賃金は異なります。
バングラデシュで生活するのにいくら必要ですか?
ダッカで一人暮らしなら月25,000〜35,000タカ(約32,000〜45,000円)で普通に生活できます。4人家族の場合は60,000〜80,000タカ(約77,000〜102,000円)が目安。グルシャンなどの高級エリアでは150,000タカ超になることもあります。農村部では4人家族でも25,000〜35,000タカで生活できます。

08まとめ

バングラデシュの給与は、一言では語れないほど職種間の格差が大きい。縫製工場の最低賃金12,500タカと、シニアITエンジニアの250,000タカ以上——同じ国に20倍の賃金差が存在する。

この記事のまとめ
  • 日雇い労働者:800〜1,000タカ/日(約1,000〜1,300円)
  • 縫製工場一般作業員:15,000〜20,000タカ/月(最低賃金12,500タカ)
  • ITエンジニア(新卒):30,000〜50,000タカ、中堅:80,000〜150,000タカ
  • 医師・上級公務員:40,000〜500,000タカ以上(職種・立場による)
  • ダッカは地方より40〜60%高いが、生活費も高い
  • 日本の最低賃金2日分=バングラ縫製工場1ヶ月の最低賃金
  • ダッカ一人暮らしの生活費:25,000〜35,000タカ/月
この記事を書いた人
BW
バングラWIRE編集部
Bangladesh HR & Salary Data · 現地一次情報
現地からのベンガル語一次情報およびバングラデシュ政府給与スケール・現地調査をもとに作成。2026年6月時点のデータです。